引きの強さと、身のうまさで人気が高い、明石のクロメバルとマダイをリレー釣りで狙おうと22日、兵庫・明石の「丸松乗合船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で早朝から鹿ノ瀬と淡路島沖へ出た。潮の動きが鈍いなど、条件が悪くメバル、マダイともに数は伸びなかったが、竿をグッグッグーと締め込む鋭い引きに感激。終盤を迎えたメバルは、水温が上がる5月半ばまでが狙い時。マダイは急流で磨かれ、身が引き締まった良型が好機を迎える。

 「メバルは水温が上がってくるこれからがシーズンを通して一番面白い。毎年、この時期から5月半ばまでが狙い時で、引きがすごく強くなるんや」。松本正勝船長の言葉どおり、良型のクロメバルが、グッグッグーと竿を絞り込んだ。

 ポイントは鹿ノ瀬(水深30~35メートル)。流し釣りで岩礁の潮上を狙う。底までサビキを落とし、岩礁から少し上をなめるように探っていく。気を抜けば、すぐに根掛かりするテクニカルな釣りだが、そこもメバル釣りの面白さ。船長の指示通りに底どりを続けると船尾のベテラン・山本正広さん(姫路市)に良型がヒット。1号の磯竿に幹糸、ハリスともに0・6号という細仕掛けで早朝から竿をしならせた。

 やわらかい竿をグイグイ絞り込んだのは25センチのグッドサイズ。「このタックルで釣るメバルはスリル満点だよ。たまらないぞ。食べても、最高にうまいしな」と釣って良し、食べて良しのメバルを手ににんまり。

 ほかの人も、カサゴまじりで竿を曲げ、記者にも待望のメバルアタリ。だが、2度の締め込みでハリス切れ。でかかった…。そして数投後、再び鋭い締め込みで竿が曲がる。慎重に引き上げると、丸々した良型が水面下に。取り込んだのはぼってりした25センチで、思わずうれしさが込み上げた。

 隣の畑山和美さん(豊中市)も同型を手に「これは刺し身サイズやな。残った皮は湯引きにしてポン酢で食べるとうまいよ」と笑顔で教えてくれた。結局、潮の動きが鈍く、竿頭で4匹止まりだったが、サイズは良型ぞろい。明石のメバルは料亭行きの高級魚。このサイズが1匹釣れれば良しとし、午前11時前からマダイを求めて淡路島沖へ。

 マダイも流し釣りで狙うが、前日までかなりの数が釣れており、休日とあってポイントは船だらけ。思ったように船を流せず、拾い釣りとなり25~30センチを0~3匹で納竿。この日はきびしい釣りとなったがメバル、マダイともにこれからが狙い時。マダイは明石海峡で釣れだすと40~50センチが中心となり、急流育ちの強烈な締め込みが味わえる。【近江康輔】

 【今後の見通し】メバルは水温がさらに上がって、シラスも回りだすと、浅場(8~10メートル)で釣れるようになり、岩礁の上に浮いて数、型ともに期待できるようになる。マダイはしばらくの間は小、中型の数釣りだが、明石海峡大橋周辺で釣れだせば、大型も狙える。昨年は80センチ級が出ているので楽しみ。

 【問い合わせ】丸松乗合船【電話】090・6981・4620。メバル&淡路島沖のマダイ釣りは1人7000円。マダイ専門船は8500円(人数制限あり、18人まで)。メバル&マダコ釣りは6800円。午前5時半ごろ出船(要確認)。

 【交通】JR神戸線、山陽電鉄明石駅下車、タクシーで約5分。車は大阪方面から第2神明道路の玉津ICを出て国道175号を南下。和坂の信号を左折し同2号へ。明石大橋を渡り、信号を右折。明石浦漁協前を右折し約200メートル。