5月の初旬とは思えないほど、縄張りの強い野アユが、果敢にオトリに襲いかかった! 鮎の友釣りが早期解禁された1日、和歌山・日高川上流の龍神地区へ釣行した。早朝から午後3時半まで、支流の残りアカを探り歩き、15~17センチを41匹(オトリ込み)追わせた。

 入ったのは小又川で「るあん」という豆腐店の下流100メートルほどの瀬肩。水位は平水で濁りなし。数日前の雨の影響で残りアカ狙いの釣りとなったが石には艶(つや)があり、条件はまずまず。

 早朝は解禁当初の定番ポイント・瀬の深みを探るが反応なし。日差しが強まった午前9時ごろ、水深が膝ほどの浅瀬の流芯にオトリを送り込み、人頭大の石頭で止めると目印がキュッと走る明確なアタリが出て17センチ級が掛かった。

 これをオトリにするとなんと3連続の入れ掛かり。その後も、べた竿で流れの筋をていねいに探り、石頭、横でオトリを止めると、野アユが果敢な追いをみせる。瀬尻まで釣り歩き、午前11時までにまっ黄色な15~17センチを17匹キープした。

 休憩を挟み、午後は丹生ノ川へ。森林公園丹生ヤマセミの郷キャンプ場前の瀬に入った。ここは、流れが強く、石が水面に顔を出していないので背バリを打ち、左岸の流芯を狙った。

 初夏を思わせる日差しで気温がぐんぐん上がり、野アユの活性も高まるばかり。底までしっかりオトリを入れるとすぐに16センチが掛かり、少しずつポイントをずらしながら、オトリを持ちあげて誘うと追いが続く。

 型も良く17センチ前後が主体で追い星もくっきり。早くも縄張りをしっかり持った野アユに心が躍る。午後3時半までに22匹追加し合計41匹(オトリ込み)で納竿。この日は比重のある複合ラインでしっかりオトリを沈めることが大事だった。【日刊FPC・井上富博】

 【今後の見通し】大きめの人工産が放流され、4月の気温も高かったことから成育良好。水温の上昇と共に、活発な追いが期待できる。海産のくみ上げも例年より多く、梅雨明けにはかなり面白くなりそう。本解禁、冷水病対策の放流ストックも用意されている。

 【問い合わせ】食堂松阪【電話】0739・79・0259。入漁料早期解禁年券1万4040円、一般解禁(20日~)年券1万800円、日券3240円。食堂の松阪正澄さんが現地情報に詳しい。

 【交通】湯浅御坊道路の有田ICから県道22、国道424、425、371号を経由して龍神へ。