東日本のトップを切って、静岡県内の興津川、狩野川で20日、アユ釣りが解禁となった。静岡市内にある興津川では、待ちかねていたファン約1000人が思い思いの場所でサオを出していた。中には、朝5時の開始から3時間足らずで20匹釣り上げた人もいた。

 前日までのうだるような暑さから一転、冷たい風が吹いて水温も低下した。直前のまとまった雨で10センチほど増水した。だが、川の中をのぞくとアカは流されておらず、ハミ跡もくっきりと見えた。

 同川に詳しいベテランのアユ釣り師の横山愛治さん(69=静岡市)は清地に入った。「解禁当初は12~13センチと小ぶりでも、数は申し分なし。流れの中心ではなく、その脇の少し緩んでいるところにオトリをとどめて縄張りの中に入れ、アタリを待つと掛かってきた」と言う。

 また、地元のオトリアユ店、あこがれ亭の柿澤健太郎店主(45)は、「日が照って渇水気味くらいの方が、釣果は上がる。これから暑くなれば面白くなる」と期待していた。

 一方、伊豆半島を流れる狩野川では朝10時の段階で500人を超えるファンが訪れた。最多で76匹(狩野川漁協発表)を釣り上げた人も。最大も18・5センチと、良型だ。

 日刊釣りペン・クラブの相吉孝顕さんは、「天然そ上が2月から確認され、流心に大きなハミ跡も見られた。日が出始めて水温が上がると活性も高くなった」と分析する。旭水園の菊地啓作店主(84)も、「数は多いし、型も大きめ。河野状態が良く、前評判通りの釣果だった。水量も多く、今後良型が期待できる」と、声を弾ませていた。

 ▼問い合わせ

 興津川「あこがれ亭」電話054・393・3814。同川漁協電話054・393・3894。日釣り券1500円(高校生以下、女性、身障者は漁協で確認済み証を500円で発行、以後シーズン中は無料)、年券7000円。オトリアユ1匹600円。

 狩野川「旭水園」電話0558(87)0162。同川漁協電話0558・72・5945。日釣り券1700円、年券1万500円。オトリアユ1匹600円。