美しい魚体、小気味良い引きに歓喜の声が響いた! キス釣りが最盛期を迎えた兵庫・家島諸島沖へ先日、同・姫路の乗合船「知々丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で出た。カンカン照りの厳しい暑さだったが、ベテランからビギナーまでブルブルッと竿先を震わせるアタリを夢中で追い続けた。竿頭は山口正さん(加古川市)で15~25センチを55匹に小ダイなどもゲット。条件の良い日には3桁釣果も出ており、しばらくは入れ掛かりが楽しめそうだ。

 ブルブルッと竿先が震えた瞬間「きてるきてる。なにこれ、グングン引く」と竿を握りしめて大興奮。初の船釣りを楽しもうとやってきた、浦濱ななみさん(姫路市)、高橋那都希さん(同)がキスの小気味良い引きに喜びを爆発させた。

 20センチを超える太いキスを食わせたときには「すごく大きい! お刺身にして食べたらおいしそう」と目をきらきらと輝かせて大喜び。家島諸島沖の水深は30メートルほどで、底はきれいな砂地が広がり、波も穏やかで初心者にはぴったり。美しい島並みを眺めながらのんびりとキス釣りが楽しめる。

 ベテランたちは誘いと食わせのヒットパターンを追求。キス釣りはポイント、潮の流れ、天候などで常に食わせ方が変わる。「それを探すのが面白い」という船尾の山口さんは「きょうはキスの活性が少し低いので、あまり誘いをかけずにずる引いたほうがいい」と好調に竿を曲げていく。

 左舷前方では、山本清志さん(加古川市)が、ケイムラやビーズ玉をつけた自作仕掛けでキスにアピール。「3回ほど上下に誘いをかけ、仕掛けの長さ分だけゆっくり引き上げると食ってきますよ」とにっこり。

 午前10時ごろになると真夏の強い日差しに誘われ、キスの食いも上昇。記者も底をたたいてからの横引きで20、24センチを2連掛け。これには思わずにんまりした。浦濱さんらも、竿さばきが上達しカンカンと竿をたたく30センチのマルアジを釣り上げ「めっちゃ楽しいです」とグッドスマイルを連発。

 気温がぐんぐん上がり、汗が噴き出してくる厳しい暑さもそっちのけでキス釣りに熱中。午後1時半の納竿間際まで誰一人、手を休めることなくキスのアタリを追い求めた。この日は、濁りが入ってキスの活性がやや低く、共通のヒットパターンはなかったが、金ビーズを付けた短い仕掛け(50センチほど)で匹数を伸ばす人が多かった。【近江康輔】

 【今後の見通し】家島の島々でセミが鳴きだすとキスの活性もぐんと上がり、入れ掛かりが楽しめる。手早く餌を付け替え、手返しよく釣り続ければ、数が伸びるだろう。釣期は例年、9月の末まで。

 【問い合わせ】「知々丸」【電話】079・327・1761。キスの乗合船料金6500円。午前5時集合、同5時半に出船。氷付き。

 【交通】山陽電車の飾磨駅下車、徒歩15分。タクシーで約5分。車は姫路バイパス中地ICを出て、国道250号を南へ。陸橋を越え、最初の信号を左折。須加バス停前を右折。突き当たりを右折すると、右側に「知々丸」の駐車場。