箱根・芦ノ湖の夏ワカサギが好調だ。一般的に寒い時期の氷上における穴釣りのイメージの強いワカサギ。ところが、芦ノ湖では暑い夏に開幕して、エサをつけずに空バリでできちゃう。9月9日には、アニキこと俳優哀川翔が提唱する「哀川翔杯ワカサギ大会」を実施する。なんと、前代未聞の5匹全長で競う。その真意とは!

 “アニキ”こと哀川翔が芦ノ湖のワカサギについてポツリと話した。

 哀川 いろんな釣りをやってきたけど、芦ノ湖のワカサギは寒くなくていいよな。しかも、仕掛けにエサをつけなくて、キラキラしたハリに反応して釣れる。これは多くの人に味わってもらいたい。

 アニキが芦ノ湖について熱く語るには理由がある。3年前にさかのぼる。2015年5月、箱根・大涌谷で噴煙が上がった。一帯は立ち入り禁止となった。箱根から観光客が姿を消し、ホテルや飲食店が次々と看板を下ろして廃業した。それでも、8月下旬から空バリのワカサギは釣れていた。

 アニキにとって箱根はよく訪れる場所であり、噴煙にも特別な思い入れがあった。高校を卒業するまで鹿児島で暮らした。桜島からの火山灰は日常だった。噴煙で苦しんでいた箱根・芦ノ湖には「頑張ってもらいたい」とエールを送り、その年の9月29日に静岡・熱海でドラマの撮影をしていたが、出番待ちの間に芦ノ湖を訪れ、ワカサギ釣りに興じた。以降、アニキ効果もあって、観光客が少しずつ戻ってきたのだ。

 そこで9月9日に急きょ「哀川翔杯」と冠して、ワカサギの大会を決行することにした。湖尻「うえ乃」からのボートを対象として、競技方法は「5匹の全長」勝負とした。

 哀川 ワカサギの大会、って、数を釣った人が優勝というのが多い。もう初心者は無理だよね。だから、5匹だけそろえばエントリーできるルールにした。腕に自信がなくても参加できる。きっと楽しいぞ。

 読者のみなさん、9月9日に時間があれば、ぜひ、芦ノ湖においでください。アニキも参加します。もちろん、ガチ勝負。今から練習してもいいですよ。うえ乃の桟橋前の水深10~13メートルで釣れちゃいます。今、芦ノ湖の夏ワカサギは、いろいろなポイントで釣れているけれど、この桟橋前ポイントは9センチ超の大型が釣れることで有名なんです。

 サオは先調子でリールとセットになった安いもので大丈夫。この機会に道具もそろえてみませんか? 芦ノ湖のワカサギは10月1日に解禁される刺し網漁での初物を献上品として宮内庁に納めることから「公魚」と書いてワカサギと読ませている。気品高く甘くておいしい味わいも試してみてくださいね。【寺沢卓】

 ◆宿 芦ノ湖「うえ乃」【電話】0460・84・8471。9月9日の哀川翔杯は、受け付け午前5時30分、集合写真撮影後に同6時出舟。同11時までに帰着・検量。参加費は1000円、日刊スポーツ特製保冷バッグが参加賞として全員に。優勝者にはクリスタルトロフィーが贈呈される。入漁料は大人1300円、中学生以下無料。ボートは2人乗り3500円、3人乗り4500円。船舶免許があればエンジン舟も使える。大会参加、ボートはうえ乃に要予約。先調子のシロギスやメバル、または渓流などで使うサオを持参してください。仕掛けは店内で「うえ乃スペシャル」(オモリ付き)を販売しており、10本バリ470円、14本バリ550円。エサはなくても釣れますが、サシや赤虫をハリ1つとばしで刺すと集魚効果が増します。

 早朝は冷え込むので、防寒の準備をしておいてください。