千葉・外房の飯岡「梅花(ばいか)丸」では、ひとつテンヤで釣るマダイが熱い。第5回マダイダービー開幕初日の今月1日には、いきなり9・5キロが上がった。1カ月足らずで、最大魚トップ10は5キロ以上ばかりだ。まさに「エビでタイ」を釣って、11月25日の最終日までにどんな大物が飛び出すか? 飯岡の大ダイ祭り、まだまだ期待できますよ。

目の前でサオが大きくしなった。飯岡沖の水深30メートル前後。左ミヨシで梅花繁さん(54)がリールをガンガン巻いていた。掛かった大ダイは、3段引きで抵抗する。サオの弾力とリールのドラグ調整でやりとりしながら、海面まで引き寄せる。8号のテンヤにガッチリ掛かって、タモに確保されたのは4・5キロあった。「テンヤが底に着いてシャクったら、モゾモゾとしたアタリが出た。合わせた瞬間に反転して、いきなり突っ込まれた」と振り返る。

立派な獲物だが、これで驚いてはいけない。梅花丸では9月以降、9・5キロを筆頭に、8・09キロ、6・7キロ、6・5キロ、6・27キロと、19日現在の最大魚ベスト5は、6キロ超え。6~10位は、いずれも5キロ台。他にもキロ級の尾頭付きが、バンバン上がっている。

梅花武幸代表(56)は、「今季は8月15日から釣れ始めた。例年よりも大ダイが釣れるのが早かった。昨年のダービーは10月から始めたが、今年は1カ月早くした」と、力を込める。

テンヤをチョイ投げしたら底まで落とし込み、着いたら道糸を張ってシャクる。これでエビが踊っているように演出する。軽い仕掛けで大物を狙う。船宿で勧めているのは3~15号。これで底が取れるかが、第1関門だ。潮が速かったり、底が取りづらいなら、テンヤを重めに替えていい。

かじを取っていた梅花亮佑(りょうすけ)船長(29)によると、「テンヤの色は関係ない。軽めのでフワフワ落として誘う方が効果的。マダイは上から落ちてくるエサも見ています。落とし込みで食う可能性もあります。重めで遠投して広く探る釣り方もありますが、これだと底付近にストンと落ちるため、食う範囲が限られる場合もあります。ちょっとした違いで差が出ます」と説明した。

右トモから2人目に陣取った40代の女性アングラーは、大ダイらしきアタリを連続してバラした。1回目は慎重に取り込もうとしたら、獲物に走られた。2回目は途中で斜めに走られて根に潜られ、リーダーを切られた。

「最初に力ずくでリールを巻いて、垂直にやりとりしてください。ポイントが魚礁地帯なので、斜めのままだと根ズレします。それと、リーダーは細くても3号以上で。掛かったら、大声で知らせてください。操船でもアシストします」(亮佑船長)。

ダービー最終日の11月25日には、エントリー上位20人による最終決戦が行われ、梅花丸のマダイ王が決まる。飯岡沖は魚探への反応も良く、期待大。リールのドラグを1~1・5キロに調整して、大ダイとの大勝負に挑んでください。【赤塚辰浩】

▼船 飯岡「梅花丸」【電話】090・2155・0500。午前便は4時、午後便は11時に船宿集合。料金は要確認。ヒラメの午前便もあり。

<梅花丸マダイダービーのルール>

◆期間 11月25日まで

◆審査方法 マダイ2匹の合計重量

◆エントリーのルール 1回の釣行で最大の1匹を検量。午前便で10キロ、午後便で8キロを釣れば、18キロとなる。午前便で6キロと5キロを釣っても、6キロにしかならない。すでに10キロと8キロの2匹をそろえて18キロを計上していても、期間内の釣行で9キロを釣れば、軽いサイズを入れ替えられる。この場合、19キロにアップする。