かかり釣りの祭典「2018年K-ZERO10周年記念フェスティバル」(主催・K-ZERO)が10月28日、三重県鳥羽市の小浜の筏で行われた。一般参加も含め160人が参加し、チヌの総重量を競った。個人戦のK-ZERO部門は広角釣法で9匹1・39キロを釣り上げた山口一さん(向日市)が優勝。3人の合計重量で競う、F(フレンド)カップ部門は関東支部の石川雅一、八木智彦、秋山憲一さんが合計4・22キロで制した。チヌ釣りのほかにも、本部には焼きそばやたこ焼きなどの屋台が並び、10周年を祝う参加者がお祭りムードを満喫。大いに盛り上がった。【近江康輔】

「10周年の記念大会で優勝できるなんて、最高にうれしいです」。K-ZERO部門を制した山口さんが、満面の笑みで喜びを口にした。上がったのは、浜辺湾の5号筏。「スピーディーな釣りが好き」と話す得意の広角釣法で攻め抜いた。

勝因は買ったばかりのズームロッド。「先週も大会に出たのですが、竿が短くて(150センチ)遠投できずに1匹差で準優勝だった。悔しくてその日に買いに行きました」という竿(ズーム時190センチ)が後半の時合を見事にとらえた。朝のうちに4匹釣るも、その後は食いが止まり、東へ流れる時合を迎えた正午前から猛攻。

ここぞとばかりに竿をズームアップし、タングステンオモリの5グラムで前方の筏近くまで遠投。シラサ、マムシ、ボケをローテーションし、80分で5匹食わせ、2位の杉江朋子さん(京都市)を170グラム差で抑えた。

表彰式では「最後の遠投が利きました。面白かった。私もクラブ(京都チヌ研)を持っていて、会員に他の団体の大会にも積極的に参加し、親睦を深めろと言っているので、面目が立ちました。広角釣法に磨きをかけ、来年も、優勝を目指します」と連覇を誓った。

◆K-ZERO かかり釣りの名手・兼松伸行氏(日刊FPC)が会長を務める釣りクラブ。ビギナーからトーナメンターにいたるまで、門戸を広く開き、かかり釣りの技術の向上や親交を目的に活動している。関東から九州まで10支部があり、会員は500人超。年に6回の「黒鯛工房杯」を行っており、毎年、秋に総括大会の「K-ZEROフェスティバル」を開催している。