<いりあ魚ッチング>

 川のせせらぎ、赤とんぼの群れ、山から流れてくる澄んだ空気…、やはり自然はいいですね~。永浜いりあ(27)は、富士川水系の福士川(山梨)で〈アユの友釣り〉に挑戦してきました。昨年の初体験から今回が2度目の釣行。日刊釣りペン・クラブの相吉孝顕さん(74)に同行してもらい、釣り方の基本を教えてもらいました。

 今回、相吉さんとは初めてお会いします。第一印象は「何だか大学の先生みたい」。その印象は当たっていました。1つ1つ分かりやすく説明していただけるのでどんどん頭に入ってきます。私はアユ釣りゼミの学生になった感じです。

 〈レッスン(1)=川見〉

 午前8時に福士川に到着しました。相吉さんいわく、まずは川見が大切なのだそうです。今回の釣り場、皐月(さつき)橋の上から説明を受けます。「あの黒く光ってみえる石はアユがコケをはんだ跡だよ。ハミ跡が多いほど石は輝いて見えるんだ」。沈み石の配置やハミ跡の具合など、頭に入れておきます。ジーッとのぞき込んでいると、石の周りをキラッ、キラッと動くものが!

 アユです。いる、いる~。

 〈レッスン(2)=準備〉

 8・5メートルのサオに相吉さん自作の仕掛けをつけてもらいました。オトリの鼻の穴にハナカンを通し、尻ビレの付け根付近に逆バリを刺します。「意外とスムーズにできたな」と油断していると、痛っ、3本イカリが指に!

 まずは魚の気持ちにならないとね。

 〈レッスン(3)=送り出し〉

 オトリが元気に泳ぎ出します。「行けーっ、竜のように!」。思わず声を掛けてしまいました。相吉さんが「サオを立てて、オトリを表層の流れに乗せながら誘導するんだよ」とアドバイスしてくれます。よし、よし、ポイントまで一直線。なかなか優秀なオトリで助かりました。

 この日は雨の影響で水位は高く、条件としてはベストではありません。幸いアカが流されずに残っていたというレベルです。でも、相吉“教授”のレッスンのおかげで、釣れない気は全くしません。「9時半ごろになると水温も上がり、ちょうど時合い(釣れる時間帯)がくるよ」。おっしゃる通りの9時40分、さんざん追われて逃げていたオトリにズシーンとアタリがきました。「ヤッター!」。山びこしそうな大声で思わず叫んでしまいました。近くの釣り人さん、すいません…。

 アユ釣りは、自然の環境を楽しみながらする釣りだということをつくづく感じました。川のせせらぎを聞きながら休憩したり、釣り談議したり、ぜいたくな時間に感じます。休み休みサオを出すことで、アユもポイントに戻ってきて釣れたりするんですね。そんなのんびり釣行で合計4匹。20センチ前後の良型ばかりでした。

 釣ったアユは「佐野オトリ店」で塩焼きにしてもらいました。軟らかい身と、腹ワタの苦味が何とも美味。4匹とも頭からガブッといきました。自然を満喫し、さらに食も楽しめる。大満足の釣行でした。【構成・飯塚誠】

 ◆相吉さんのいりあ評

 意識的なのか、無意識なのか、どちらにしても天性のものを感じました。というのは、いわゆる友釣りの基本釣法〈引き釣り〉と〈泳がせ釣り〉の両方が最初からできていましたからね。今回は、荒瀬にあるコケが残った大きな石を狙いました。そこまでオトリを引きずっていって、ポイントで糸のテンションを緩める。糸を緩めればオトリは自らの力で泳ごうとし、流れが速いところでは流されまいと頭を下げます。このごく自然な泳ぎの侵入者に、野アユはナワバリのコケを取られまいと攻撃するのです。難しい条件の中で7匹かけて4匹を釣ったというのは立派。皐月橋付近には何人か釣り人がいたのに、この数を釣ったのはいりあさんだけですよ。

 ▼問い合わせ

 日刊スポーツ新聞社指定「佐野オトリ店」(電話)0556・66・2045。オトリアユ1匹600円。日釣り券1800円、現場購入2400円。HP〈http://www1.ocn.ne.jp/~sano5319/〉。交通など詳細は要確認。