頭痛で悩まされたことはないでしょうか? 世の中に頭痛持ちの人は3000万人いるともいわれています。頭痛には、大きく分けて3つの種類があります。多くの方が感じる頭痛は緊張型頭痛です。そしてよく耳にする片頭痛、もう1つが今回紹介する群発頭痛です。

 群発頭痛は他の2つのタイプに比べ頻度は低いですが、非常に強い痛みを伴います。男性に症状が表れやすいという統計があり、群発頭痛という名前は、ある期間に集中して頭痛が起こるところからつけられました。

 1度痛みが表れると、毎日のように頭痛を起こすようになります。痛みは1~2カ月くらい続き、目がえぐられるような激しい頭痛を伴います。その後、半年から2~3年と、しばらく時間がたった後、再び同じような頭痛に見舞われます。頭痛の起こっている期間のことを「群発期」と呼びます。

 女性に多い片頭痛に対し、群発頭痛は20~40歳代の男性が多く、女性の4~5倍にのぼるともいわれます。

 群発頭痛の要因には、アルコールや喫煙が考えられています。群発頭痛は神経の周りの血管が拡張することで神経が刺激されて起こるといわれ、アルコールや喫煙は血管の拡張を招く要因になります。

 治療は薬物療法と酸素吸入があります。どちらも発作時に行うことで効果が得られますが、完全な予防の薬というものはありません。

 群発頭痛の症状は目の奥がえぐられるような痛みや、痛みがひどくてじっとしていられないなど日常生活に大きな影響を与えます。群発頭痛が疑わしい場合、しっかりと専門医の診断を受けましょう。

 ◆真鍋歩(まなべ・あゆむ)医師・医学博士。1984年(昭59)7月6日生まれ、東京都出身。日大医学部卒。専門は眼科。現在、日大病院眼科研究医員として臨床・研究に従事しながら、メドピアグループが提供するオンライン医療相談サービス「first call」運営に参画。自身も同サービスで健康相談に応じる。