オーラルセックスによる咽頭感染が問題となっている。

 性感染症に詳しい「プライベートケアクリニック東京」名誉院長の尾上泰彦医師はこう話す。

 「オーラルセックスだけでも性器クラミジア、淋菌(りんきん)感染症、淋病、ヘルペス、梅毒などのいろいろな病気にかかる可能性があるので要注意。現代はオーラルセックスの時代といわれます。口の中や咽頭は、性感染症の温床となるのです」(尾上医師)。

 ある20代男性会社員は6日前、風俗店でオーラルセックスをしたその2日後に、ペニスと亀頭部が赤くただれたようになっていた。痛みやかゆみをともない熱もあったため受診した。性器ヘルペスに感染していた。別の男性は、オーラルセックスの後、亀頭部の症状に加えて、尿道からもウミが出て受診。性器ヘルペスと淋病の同時感染であることがわかった。女性から男性へ、男性から女性の性器へと広がる性感染症。男性の唾液を通じて臀部(でんぶ)や乳房へ性器ヘルペスウイルスが感染した女性の場合、乳頭から乳輪にかけて赤いただれ(びらん)が多発し、ズキズキとした痛みもあった。

 ある30代の男性会社員は、風俗店でオーラルセックスを体験したのが5日前。その3日後からペニスが腫れて痛くなった。おしっこをする際に痛みがあり、下半身には違和感、発熱もあった。診察したところ、包皮が大きく腫れ、潰瘍やびらんで荒れた状態であった。尿検査で淋菌とクラミジアが感染を示す「陽性」だった。

 「性器ヘルペスの初感染と淋病、クラミジア性尿道炎と、オーラルセックスによる“ハットトリック”。まさに『口は災いのもと』です」(尾上医師)。