「感動は推進力になる」。日本ハムファンの方なら、栗山監督の言葉だとご存じかもしれない。西川のサヨナラ満塁本塁打で勝った昨年の日本シリーズ第5戦でも、勝利監督インタビューで目に涙をためた同監督の姿は話題になったものだ(「泣いてないよ」と本人はかたくなに否定するが…)。

 指揮官に負けず劣らず、感受性豊かな新戦力が加入した。ドラフト4位の森山恵佑外野手(22=専大)だ。星稜出身の先輩・松井秀喜氏と同じ、左のパワーヒッター。188センチ、92キロの大きな体は、新人8選手の中でもひときわ目を引くが、実は彼、よく泣くのだ。

 入寮直前、同級生たちからサプライズで渡されたメッセージ色紙を手にし号泣。映画や昼ドラを観ても、すぐに涙が頬を伝う。昨年11月の東都入れ替え戦で本塁打を放った際には、感極まってベンチで涙があふれた。「まだ試合も終わってなかったんですけど、いろいろ思ったら、泣いちゃいましたね」。

 このキャラクター、好きです。結果が出て思わず泣いてしまうのは、それまでの並々ならぬ努力があるからこそ。思いっきり苦しんで、報われたときには感情を爆発させる。そんな姿には、見ている側も心を揺さぶられるだろう。1年目から活躍し、「泣きゴジラ」の見出しが躍る日を期待したい。【日本ハム担当=本間翼】