かわいらしい一面を見せてくれた。日本ハム中田翔内野手が22日、28歳の誕生日を迎えた。2日前にイースタン・リーグのヤクルト戦(戸田)に出場した時だった。帰り際、車に乗り込む時に報道陣に呼び掛けた。「22日、誕生日やから」。

 左手首で目立っていた白色の腕時計を見せながら「自分への誕生日プレゼント」と、うれしそうに披露。一般人には信じられない高額な値段を発表して驚かせた。その数10分前、報道陣が駐車場に到着するのを待っていてくれた。「遅いよ」と言って右手人さし指でトントンとたたいていた腕時計。我々が「きょとん」としているうちに、ニヤリと笑って車を発進させていた。

 迎えた誕生日。DeNA戦(鎌ケ谷)で本塁打を放った。自ら打ち上げた「祝砲」。右足付け根を痛めて2軍で調整をしていたが、心配を吹き飛ばした。満を持して23日の西武戦(メットライフドーム)で1軍に復帰した。試合前練習を終えて引き揚げる時に「ケーキとかないわけ?」。しまった…、何も用意していない。「甘い物は食べないけどさ」と残念そうに話す姿にほっこりした。

 主砲にとって誕生日は特別な日。パーティーで盛り上がったかと思いきや、違った。翌日の復帰戦に向けて「準備とかあるから何もしていないよ」。大切な誕生日のお祝いもせずに備えたという。当日を2軍で迎えたことに悔しさをにじませていた背番号6。野球への真剣な姿勢も感じさせてくれた。

 28歳のバットが、最下位で苦しむチームを救うと期待したい。【日本ハム担当=保坂果那】