野球は、9人で行うスポーツ。レギュラー争いは、過酷である。その中で投手は先発、中継ぎ、抑えと役割がある。野手も内野、外野、代打、代走と分かれている。ただ、捕手はそうした区分がない。多くのチームが2~3人の捕手を1軍に登録するが、もちろん試合でマスクを被るのは1人のみ。いわば、代わりの利かないポジションでもある。

 楽天には、絶対的な存在として嶋がいる。13年の日本一を経験し、侍ジャパンでも存在感を示してきた。さらには、今季からベテランの細川が加入した。西武、ソフトバンクでの経験値は言うまでもない。2年目の足立にとって、お手本となる2人が目の前に立ちはだかる。

 足立 嶋さんは、やっぱりすごい。言葉ではうまく言えないけど、僕にはないオーラがある。バッティングだってそう。細川さんも配球面で、勉強になることばかり。僕なんかは、まだまだです。

 ただ、悲観するだけではない。

 足立 2人と同じことをしても、試合では使ってもらえない。いかに投手がやりやすいようにするか。いい部分は吸収して、自分に出来ることを考えるばかりです。

 いつかは、唯一無二の存在へ-。今日もベンチから、熟練の技を盗もうと必死に目を凝らしている。【楽天担当=栗田尚樹】