困ったことになった。工藤ホークスは井口ロッテの前に完敗し、今季2度目の3連敗となった。試合前の練習中、千賀の抹消を慌てて決めた。連盟への届け出時間はリミットの正午数分前だった。5週連続の6連戦に突入したばかり。仙台~千葉のロード6試合は連勝でスタート。さあ、貯金ウイークだと、下位球団相手に電卓をたたいて星勘定したのもつかの間、あっという間の3連敗。それにプラスして千賀の離脱。一気に投手陣の台所事情が悪化した。週が明けて22日からスタートする本拠地ヤフオクドームでの西武、楽天との6連戦。火曜日(22日)の先発がいなくなった。工藤監督はじめ、投手担当コーチらが、幕張の五月晴れの空の下、うつむき加減で移動のバスに乗り込んだのも無理はなかろう。

 千賀離脱に限らず、ここは「再整備」に手を付けなければならない。サファテ、岩崎の「勝利の方程式」を欠き、突き進むペナントレース。加治屋、モイネロ、森の奮投があっても、そうそう持ちこたえられるわけではない。ファームに目を移せば、この日、和田がウエスタン・リーグ対広島で勝利を挙げた。6回2安打1失点。1軍復帰も近い。五十嵐、寺原のセットアッパーもともに登板し「昇格通知」を待っている。先発陣では摂津も、真っ黒な顔になって「その日」を待っている。

 育てながら勝つ-。どの球団にとっても最高級の目標ではあるが、これが実に難しい。ここはひとつベテランの力に頼る時期なのではないだろうか。【ソフトバンク担当 佐竹英治】