楽天梨田監督が16日に、辞任した。最下位に低迷するチームの成績不振を理由に、借金20のタイミングで決断した。球団側からは慰留されたが、本人の意思は固く、強かった。本拠地・仙台の戦績は7勝24敗。その数字も、身を引く上で大きな理由となった。日頃から「仙台、東北のファンの方に申し訳ない。これだけホームで勝てないと。いつも、いつも応援してくれているのに。申し訳ない」が、口癖だった。

記者に囲まれる楽天梨田昌孝監督(2018年6月16日撮影)
記者に囲まれる楽天梨田昌孝監督(2018年6月16日撮影)

 支えてくれるファンに対して、いつも笑顔を絶やさなかった。久米島春季キャンプ中には、何度も即席のサイン会を実施。お願いされたら、写真撮影にも快く応じた。忙しい時間帯であれば「ごめんね。また後でいいかな」と、誰に対しても、申し訳なさそうに、頭を下げる姿が印象的だった。

登校する久米島小学校の児童をハイタッチで迎える楽天梨田昌孝監督(右)と近藤弘樹(2018年2月6日撮影)
登校する久米島小学校の児童をハイタッチで迎える楽天梨田昌孝監督(右)と近藤弘樹(2018年2月6日撮影)

 時に、罵声を浴びせられることもあった。「梨田! ふざけるな!」と敗れた試合後には、厳しい言葉を言われることもあった。その中で、貫いた笑顔。「ファンあってのプロ野球。あの人たちがいないと、自分たちはいない。ホームでこれでは、ダメ」と話す渋い表情が、印象的だった。「途中で投げ出すのは、あれだけど」。意思は固く、強かった。【楽天担当 栗田尚樹】