楽天2年目の田中和基(24)が躍動している。開幕当初は代走での出場が主だったが、5月末からスタメンに起用されると、一気にトップバッターに定着。持ち前の快足に加えてパンチ力も披露し、8月1日のオリックス戦ではプロ野球8年ぶりの左右両打席本塁打をマーク。22日現在、打率2割7分6厘、18本塁打、21盗塁と、一躍新人王候補に名乗りを上げている。

ここまでの18本塁打はチーム2位で、日本人トップ。過去にシーズン18本塁打以上を打った楽天の日本人選手は、6度記録した山崎武司だけで、生え抜きではすでに球団史上最多だ。また20本に乗せれば、両打ち選手では07年セギノール(日本ハム)以来。日本人では柴田勲、高橋慶彦、松永浩美、松井稼頭央の4人だけ。最後にマークしたのは03年の松井で、昨年はともにプレーした先輩以来の記録となる。

田中は21盗塁をマークしており、20本塁打に到達すれば「20発&20盗塁」となる。20発&20盗塁は今年の山田哲(ヤクルト)柳田(ソフトバンク)を含めて58人(103度)が達成しているが、楽天の選手では初めて。24歳シーズン以下で達成なら、16年山田(ヤクルト)以来で、パ・リーグでは95年イチロー(オリックス)以来23年ぶりだ。また2年目以内に達成したのは過去10人(11度)だけで、新人でマークした81年石毛(西武)以来37年ぶりの快記録が見えている。

開幕時には予想もつかなかったブレークで、ルーキーの藤岡(ロッテ)、同じく2年目の山本(オリックス)らとの新人王争いに加わった。残りの試合でさらに数字をのばし、松井稼頭央やイチローらに肩を並べられるか。その先には球団では田中、則本に次ぐ3人目、野手では初の新人王も見えてくるだろう。