今でも欠かさず続ける「勝利の儀式」でつかんだ優勝で、後輩たちを祝福した。5日の地元浜名湖のG1優勝戦に勝ち、節目となるG1・10勝。続く14日の丸亀一般戦も制し、通算51度目の優勝を達成した。

 菊地 勝てる試合のイメージをしておくと、頭の中で1回は疑似体験済みなので浮足立たない。野球に例えると、強い相手に中盤でリードしている時に「あ、本当に勝てる」と思っちゃうと緊張してミスにつながる。明確に勝っている姿を想像していれば、リードしていることに動揺しない。勝っている試合の流れをリアルにイメージすることが大事。これだけは実践してほしい。

 センバツに臨む心意気もアドバイスした。

 菊地 「甲子園に出るからには」という言葉を使ってほしくない。センバツに出ることを喜ぶのも大事だけど、僕の中ではネガティブな言葉。優勝候補が「出るからには」とは言わない。甲子園で優勝を目指している高校は「勝たなきゃ」と思って臨む高校とはモチベーションが違う。今の不来方がそのレベルじゃないかもしれないけど、試合には絶対に勝たないといけない。常勝、必勝なんです。そのような気持ちで臨めば、今回いかなる結果が出ても、夏への材料が見つかる。夏までに取り組む練習の課題が明確に見えてくる。【高橋洋平】

 ◆菊地孝平(きくち・こうへい)1978年(昭53)8月16日、北海道・札幌市生まれ。父の仕事の関係で10歳の時に岩手・西根町(現八幡平市)に引っ越す。高校卒業後は岩手大の合格を辞退して、ボートレースの道へ。82期生として98年5月に浜名湖でデビュー。05年のMB記念の優勝に始まり、SG優勝5回。G1優勝10回、通算優勝51回。14年には年間賞金王に輝いた。生涯獲得賞金は12億6151万7301円(17日時点)。165センチ、53キロ、血液型AB。