甲子園歴代5位48勝の明徳義塾(高知)馬淵史郎監督(61)が「こんな負けは初めて」と天を仰いだ。堅守を誇る明徳義塾が、あと1死からの守りのほころびで敗れた。「負けるたびにいろんな経験をさせてくれる。甲子園という場所は…」と虚空をにらみ、今の高校野球を代表する名物監督は「早実には野球の神様がついとる。こういうときはグッと来ますよ」と相手の進撃も予告した。

 9回無死一、三塁。三塁ゴロで併殺を取れず、1点を失った。なおも2死一塁で、投手の北本がゴロをさばけず。「3、4番が頭にあった。焦ってしまった」。清宮、野村に連続四球で追いつかれ、延長10回に決勝打。北本は涙にくれた。

 昨秋、今春の実戦ビデオを見て、バッテリーはカーブを外して直球、スライダーを勝負球に決めた。対策を練り、3打席連続で打ち取っても、清宮の圧力に苦しんだ。「打撃は一流」と認めた馬淵監督。敬遠策が話題になった決戦の明暗を分けたのは、エースが懸命に投げて与えた9回の四球だった。【堀まどか】

 ◆馬淵監督が初戦敗退 明徳義塾・馬淵監督が甲子園初戦で敗れたのは春夏通算30度目の出場で4度目。なお、監督の出場30度は北野尚文(福井商=36度)高嶋仁(智弁学園-智弁和歌山=35度)阪口慶三(東邦-大垣日大=30度)の各監督に次ぎ4人目。