滋賀学園が福岡大大濠と延長15回を戦って、1-1のまま決着せず引き分け再試合となった。再試合は28日に行われる。

 滋賀学園の山口達也監督(45)は「三浦君(福岡大大濠の右腕エース)の投球術に翻弄(ほんろう)された」と2時間49分の戦いを振り返った。1回に1死二、三塁から4番の武井琉之左翼手(3年)の中前打が出て1点取った。しかし、2回からは好機をつかんでも得点が挙げられなかった。28日の再試合で再度三浦が投げてくることは十分に考えられる。武井は「今度は攻める野球で勝ちたい」と誓った。

 打線は消化不良だったが、投手は期待以上の出来だった。昨秋の公式戦登板は救援で1試合だけという背番号11の宮城滝太投手(2年)が先発マウンドに上がった。「スライダーがよかった」と、淡々とした表情で投げ込み7回まで無失点。8回に1-1の同点とされたところで降板したが、立派な内容だった。8回途中からは、1回戦で延長14回を2失点完投した背番号10の棚原孝太投手(3年)が抑えきった。背番号1の神村月光投手(3年)が腰の張りもあって投球を回避しているチーム状況の中、控えだった2人が表舞台で持っている力をしっかりと出した。

 昨年センバツは8強。再度準々決勝へ進むために、福岡大大濠との再試合を取らなければならない。山口監督は「(引き分けを)いい方に考えれば、甲子園でもう1試合できるということですから」と、新たな力をつけてきている選手たちに目を向けていた。