勝利した東海大福岡ナインが、早実(東京)清宮幸太郎内野手(3年)の打球に目を丸めた。

 象徴は6回1死走者なしの場面。清宮が右翼へ放った打球は平凡なフライに思われたが、右翼とカバーに入った中堅の間に落ち、三塁打になった。

 東海大福岡の右翼を守っていた前原生弥外野手(3年)は「初めて見た高さ。風船みたいだった」と驚いた。最初は落下地点に入ったものの、打球が落ちてくるにつれ「急に伸び始めた」。強い風が吹いていた訳ではないが「清宮くんはボールの下をたたいて、スピンをかけてホームランにしている。それがあって伸びたのかもしれない」と分析した。カバーに入った中堅の有安晟真外野手(3年)も「(高さは)初めてですね。ライトは落下地点が分からなかったのだと思う」と苦笑いだった。

 それでも相手の猛攻をしのいで、8強入りを決めた。前原は「三塁まで行かせてしまって申し訳なかったけれど、安田がその後を抑えてくれた」と2つの内野ゴロで0を並べたエースに感謝。9回162球を投げ抜いた安田大将投手(3年)は「ファウル1球で盛り上がってくれる。投げていて怖かったけれど、楽しかった。夏にもう1回(早実と)やりたい気持ちはあります」と笑顔で振り返った。