さあ早実撃破だ! 日大三の「デカプリオ」こと金成麗生内野手(3年)が、高校通算23号となる先制2ランを含む3安打4打点の大活躍。昨秋の東京大会決勝で敗れた早実とのリベンジマッチに駒を進めた。チームは2年ぶり19回目の関東大会(5月20日から5日間、茨城)出場が決定。神宮で行われる27日のナイター決勝(午後6時開始)で2年ぶり14回目の春季大会制覇を目指す。

 まるでVTRのようだった。1回2死一塁、金成が強振した打球は右中間の防球ネットを直撃した。早実清宮が、前日22日の国士舘戦で放った推定飛距離130メートル弾よりは低かったが、同じような場所に推定120メートル弾を放った。「いいバッティングができた」。早実・和泉監督もスタンドで視察する中、高校通算23号2ランで主導権を握った。

 大きな体、名前のレオから「デカプリオ」と呼ばれる男が打線をけん引した。5回には右前適時打を放ち、7回にも右翼線への適時二塁打で計4打点。センバツでは初戦で履正社に敗れ、自身も4打数1安打に終わった。その後「打点を稼げる打者」を理想に掲げ、言葉通りの結果で勝利に導いた。

 憧れのDeNA筒香流の思考法で進化を遂げた。動画サイトで筒香が「打撃はシンプル中のシンプル」と話していたのを見て、フォームを見直した。これまで下半身がうまく使えず、左足→右足→左足→右足と体重移動してしまう癖があったが、軸足(左足)にしっかり体重を乗せて、ためを作ってから右足に体重を移す基本を徹底した。これで本塁打への固執は捨てたにもかかわらず、春季大会で3本のアーチを記録した。

 昨秋以降、呪文のように唱え続けた「打倒早実!」への挑戦権を手にした。あの悔しさを忘れないように、早実に敗れた都大会決勝の映像を見返し、再戦の日を待ち続けた。

 金成 わくわくというよりは、ぶっつぶしてやろうと。襲いかかる気持ちでやっていきたいです。