早実・清宮幸太郎内野手(3年)が2打席連発となる高校通算83号、84号を放ち、チームを秋春の東京大会連覇に導いた。好敵手の日大三を、延長12回の末、18-17のサヨナラ勝ちで退けた。春の優勝は荒木大輔を擁した82年以来、35年ぶり9回目。史上初のナイター決勝に主催者発表2万人の観衆が集まり、前代未聞の熱闘を見届けた。

 未体験の興奮に、体が自然と反応した。3点を追う9回無死一、三塁。清宮は打った瞬間、それと分かる最高の感触を、派手なガッツポーズで表現した。2打席連発となる値千金の同点3ラン。大阪桐蔭・中村(西武)を超える通算84号で延長戦に持ち込んだ。

 清宮 野球人生でガッツポーズをしたことはなかったですけど、思わず出ちゃいました。

 8回に高校通算83号の2ランを放ち、試合を決定付けたはずだった。右翼手が打った瞬間に固まるスタンド上段への特大弾。それでも、直後の9回に7点を奪われ、逆に4点のビハインドを背負った。「点を取っても、取られて。思わず笑っちゃうような…。でも、いくら取られても返せる自信はあった」。