4月1日付で浜松開誠館野球部(静岡)の非常勤コーチに就任した、元DeNA内野手の中村紀洋氏(43)が1日、浜松市内の同校で就任会見に臨んだ。

 -あいさつ

 中村氏 これから子どもたちの夢に向かって自分の経験をもとに、子どもたちをサポートしたいです。学校の考えに知育、徳育、体育があり、徳育について多々考えるところがあり、合致しました。スポーツを通じ、生きる力を与えたい。野球の夢をサポートし、上を目指して頑張っていきたい。

 -経緯、決断理由は

 中村氏 佐野心監督とはプロに入団した年が同じで92年のジュニアオールスターでともに出場しました。そのつながりもあり、今年2月に打撃と守備を見てくれないかと依頼を受けた。自分が子どもと接する姿を見て、私が簡単かつ分かりやすく指導すると、子どもが笑顔になっていると驚かれ、そこを評価していただいた。私も教える中で汗水流して泥まみれになっている選手の力になれないかと思い決断した。

 -チームに期待するところ

 中村氏 指導させてもらうので、今までの成績ではなく、1つでも上に上がってもらえるように、そして最終的に、いずれは甲子園にも行きたい。

 -どこを強化したい

 中村氏 試合を見たが、一切バントをしない。打ち勝つ、守り勝つチームのなかで、私は打ち勝つという部分に貢献したい。1人でも多く、思い切り振れる打者が増えればと思う。

 -技術的指導は

 中村氏 現役時代から、自分自身が教わったことはどうすれば子どもがわかりやすく聞いてくれるかを常に考えていた。難しいことを話しても理解がなければ進歩がないので、できる限り簡単に指導しようと思う

 -打法について

 中村氏 基本を大事に。どんな打法であれ、基本があれば、力強いスイングは出来ます。

 -チームになにを与えたい

 中村氏 いかにプレッシャーのかかった場面で平常心でプレー出来るかを伝えたい。エラーしたくないとかチャンスに打ちたいと思うでしょうが、その場面で普段通り出来るメンタルを育てたい。技術面もそうだが、メンタル面も大事だと思うので。

 -実際の指導は

 中村氏 3月下旬に1回。4月に2回している。練習試合を見ながら、選手の動きをチェックし、指導をしています。前日4月30日に、ノックや打撃投手をし、練習後に選手たちと話す機会がありました。みんなに心境を聞くために、挙手してもらいました。「エラーするのがかっこわるいか」と質問したら、思いのほか手を挙げる子が少なく楽しみだなと思いました。また「空振りはかっこわるいか」と聞いたら、結構多かった。けど、そんなことはなく、空振りもエラーも野球にはつきものだから、かっこ悪いことではないよと話した。

 -手応えは

 中村氏 手応えは大あり。間近で見せてもらったときにプロ野球の選手のような打球を見せてもらった。選手に聞くと「あんな打球は初めて」と言っていただけたので。

 -現役続行中では

 中村氏 またチャレンジさせていただく機会をつくってもらった浜松開誠館に感謝しております。第2の人生というか、チャレンジするという意味でまだまだ生涯現役です。もう私は活躍はできないですが、子どもたちと接する時間が増えて、成長する姿を見て、楽しい、もっと教えたいと思った。私もまだバットも振れて、守備も実演が出来るので、チャンスだなと思う。

 -プロと高校野球で大切なこと

 中村氏 プロはファンに魅せる野球ですが、高校生は感謝の気持ちを持って欲しい。簡単にグラブも持てないので、道具を大事にして欲しい。その気持ちがなければ、精神的にも肉体的にも進歩しないと思う。

 -甲子園の魅力は

 中村氏 私は甲子園に行くよりもプロに行きたいと思っていた。緊張していたので、満塁本塁打を打たれて終わった記憶以外は記憶が真っ白。甲子園では高校時代は0安打でプロに行ってから甲子園で打ちました。

 -自身の目標は

 中村氏 選手指導に携わり、1人でも多く上、社会人、プロに行ってほしい。その中でメジャーにも行く選手も誕生して欲しい。