明豊(大分)が延長12回、奇跡のサヨナラ勝ちを収めた。9回に3点差を追いつかれて延長に持ち込まれ、さらに12回表に3点を勝ち越された。

 甲子園ファンの誰もが決着したと思ったなか、明豊ナインがその裏に4点を奪ってみせた。2死走者なしから連打と四球で満塁のチャンスをつくった。暴投で1点を返すと、9番管大和(かん・やまと)外野手(2年)がたたきつける打球で三塁手の上を越える2点適時打で同点。さらに満塁から、この日3打席目で2試合連続ホームランを放っていた3番浜田太貴(たいき)外野手(2年)が、落ち着いて押し出し四球を選んでミラクル劇を完結。現ソフトバンク今宮を擁した09年以来、8年ぶりの8強にコマを進めた。

 2年生コンビの活躍に、川崎絢平監督(35)は「2人とも核としてチームを支えてくれている。最後は声も出ていたし落ち着いていた」と逆転を信じていた。管が「人生に何度もないいい場面。心臓がバクバクして押しつぶされそうだった」と声を弾ませると、浜田は「勝ちを優先して冷静に見逃せた。もっと3年生と野球がしたい」と笑みをこぼしていた。【浦田由紀夫】