帝京時代の87年夏にノーヒットノーランを甲子園で演じた芝草宇宙氏(48)が、帝京長岡の外部コーチとして18日に始動した。NPB通算46勝56敗17セーブの同氏は日本ハムのコーチ、スカウトなどを歴任し、昨季限りで退団。母校・帝京に次ぐ2校目の外部コーチ就任だ。「帝京と帝京長岡が甲子園で対戦できたら最高。そうなったら、バックネット裏のど真ん中のイスに座りたい」と夢を話した。

 指導初日のあいさつで芝草コーチは選手たちのやる気を確信した。「話を聞いている表情、まなざしに真剣さが伝わった。さあ、やっていこう、という気持ちにさせられた」。まだ、選手たちの顔と名前が分からない。ナインが練習する動きを目で追いながら、気づいた選手の特徴を松永佳帆マネジャー(2年)にメモさせた。仕事始めは、選手の把握だった。

 「練習をしっかりやれば結果が出る。結果が出てこそ、野球の楽しさを感じられる。甲子園というしっかりした目標に向かっていきたい」。指導に訪れる頻度は未定だが「できる限り足を運びたい」と言う。選手の技術アップだけでなく、チーム戦術にも関わっていくつもりだ。「ちょっとしたことで大きくなるのが高校生」と、芝草コーチは帝京長岡ナインの成長に一役買う。【涌井幹雄】