3年連続の夏の甲子園出場を狙う盛岡大付(岩手)に、身長差18センチの凸凹新人コンビが加わった。179センチの天笠元太外野手と161センチの渋歩(しぶ・あゆむ)投手(ともに1年)はすでに主力組の練習試合に出場し、実戦経験を積んでいる。横浜瀬谷ボーイズ出身の天笠は左打ちの大砲で、豪快な打撃が売り。一方、楽天シニア1期生の渋は右横手から強気に内角を突く投球が持ち味。夏の岩手大会でのベンチ入りを目指し、さらなる成長を続ける。

 今年も「盛付(もりふ)劇場」は健在だ! スリリングな試合展開で昨年の甲子園を沸かせた盛岡大付に、期待の新戦力が加わった。関口清治監督(40)はすでに天笠と渋の凸凹コンビを主力組で起用している。「競争が激しくなれば、選手層は厚くなる。1年生が力を付けて夏にベンチ入りすれば、チームとして面白くなる」。競争原理を注入して刺激を与えている。

 179センチ、81キロの恵まれた体格を誇る天笠は、ソフトバンクのドラフト1位松本らを輩出した横浜瀬谷ボーイズ出身。左投げ左打ちの大砲候補で、力強いスイングが持ち味だ。「利き手の左腕で最後まで押し込む打撃だけしか考えてない。甲子園で本塁打を打った植田さん(現バイタルネット)に1日でも早く近づくのが目標」と意気込む。

 161センチの小柄な渋は楽天シニアの1期生。最速130キロながら、強気に内角を突く投球が売り。中3春から肘を下げて上手から横手投げに転向し、安定感が増した。「盛岡大付のような強力打線がバックなら、安心して投げられる」と、宮城から岩手にやってきた。

 関口監督が凸凹コンビに期待をかけたのには理由がある。脳裏には植田の残像があった。「天笠の長打力は植田並み。将来は“左の植田”になれる素材だと思う。渋はポジションは違うけど、165センチで打ちまくった植田に負けないで“投手版植田”を目指してほしい」。投打に“植田2世”を育成し、夏の岩手大会3連覇を虎視眈々(たんたん)と狙う。【高橋洋平】

 ◆天笠元太(あまがさ・げんた)2002年(平14)5月31日、神奈川・大和市生まれ。西鶴間小4年から野球を始め、南林間中では横浜瀬谷ボーイズに所属。179センチ、81キロ。左投げ左打ち。家族は両親と弟。

 ◆渋歩(しぶ・あゆむ)2002年(平14)4月7日、宮城・塩釜市生まれ。塩釜二小1年から野球を始め、塩釜一中では楽天シニアに所属して全国大会、ジャイアンツカップ出場。161センチ、65キロ。右投げ左打ち。家族は両親と弟、妹。