エンゼルスの大谷翔平投手が今年のア・リーグ新人王に輝いたニュースは日本でも大々的に報道された。99年来となる二刀流での活躍はアメリカでも比類ないものとして高い評価を受けていることが改めて証明された形だ。それと共に注目したいのが、ナ・リーグの新人王となったロナルド・アクーニャ外野手である。今回30人の記者による投票で大谷が1位票を25票集めたことが伝えられたが、アクーニャはそれを上回る27票を集めた。総得点でも大谷の137に対し144とまさに圧倒的な支持を得たのである。

現在20歳で、ベネズエラ出身のアクーニャは2014年に国際フリーエージェントとして10万ドルでブレーブスと契約。以降3シーズンはマイナーリーグで着実に実力をつけ、今年の開幕前には専門誌ベースボール・アメリカが期待選手ランキングで1位に選ぶほどになった。さらにスプリングトレーニングでは打率4割3分2厘、4本塁打と大活躍を見せた。開幕こそAAAのグウィネット・ストライパーズで迎えたが、4月25日には念願のメジャーデビューを果たす。翌日初本塁打を放つと、そのまま好調を維持し、111試合の出場で26本塁打、出塁率と長打率とを足し合わせた値OPS.917はチームトップだった。21歳までに26本塁打を記録したのはアクーニャが5人目で、盗塁も16決めているがルーキーシーズンに25本塁打15盗塁したのは10人目という快挙である。さらに最初の100試合で長打が55というのも史上6位だ。

またオールスター後にブライアン・スナイカー監督が打順を一番に据えた後からその好調ぶりに磨きがかかった。最終68試合で19本塁打、OPSはナ・リーグ3位の1.028、総合評価指標WARは2位の3.4となっている。

こうしたアクーニャの活躍がブレーブスの2013年以来となるプレーオフにつながった点も高評価の要素となっている。

そのアクーニャだが、今回日米野球で来日しており、日本滞在中に受賞を知ることとなった。13日にマツダスタジアムで会見したアクーニャは「何と言葉にしたらいいのか分からないくらい興奮している。本当にこの賞をいただけて光栄に思う」と話し、「自分のキャリアはまだ始まったばかり。自分にはやらなければいけないことがたくさんある。毎日、毎日、毎年、毎年良いプレーができるように、いろいろな人からのアドバイスを聞いて、人としても選手としても成長していきたい」と今後への抱負を語ったということだ。

大谷と共に、この新星の今後を見つめていきたい。