アスレチックスの左右両投げ投手、パット・ベンディット(29)がメジャー昇格即、デビュー。左右両方を使い、2回を1安打無失点に抑えた。

 実はベンディットの登場で野球規則に新たなルールが作られたいきさつがある。08年6月19日、ヤンキース傘下1Aスタテンアイランドに所属したベンディットが初登板。ブルックリン・サイクロンズ戦で、打者は両打ちラルフ・エンリケス。ベンディットは、エンリケスが右打席に入ったのを見て右で投げようとするとエンリケスは左打席に。こんな右左のやりとりが続いたため、審判は打者に打席を選択するよう指示。右対右の対決となり、ベンディットが三振を奪った。これがきっかけで野球規則に8・01(f)を加えさせた。

 ◆野球規則8・01(f) 投手は、球審、打者および走者に、投手板に触れる際、どちらかの手にグラブをはめることで、投球する手を明らかにしなければならない。投手は打者がアウトになるか走者になるか、攻守交代になるか、打者に代打が出るか、あるいは投手が負傷するまでは投球する手を変えることはできない。投手が負傷したために同一打者の打撃中に投球する手を変えれば、その投手は以降再び投球する手を変えることはできない。投手が投球する手を変えたときには、準備投球は認められない。投球する手の変更は、球審にはっきりと示さなければならない。