レンジャーズのダルビッシュ有投手(30)がエンゼルス戦に先発し、6回3安打2失点(自責1)4四球10奪三振の力投で、今季3勝目(2敗)を挙げた。今季メジャーの先発投手で最多となる125球を投げ、今季2回目、通算30回目の2桁奪三振をマークした。

 逆転した直後の6回表。3四球で1死満塁となった時点で、球数は117球に達していた。だが、レ軍ベンチは動こうとしない。ダルビッシュは、その意図を自分なりに理解しようとした。「試されているなと。あそこで投げさせてもらえたことに、かなり驚きました」。自らまいた種は、自らつみ取るしかない。後続2人に犠飛すら許さず、無失点でピンチを脱出。地元ファン総立ちの拍手が、ねぎらいのメッセージだった。

 試されたのではなく、責務を一任された。試合後、バニスター監督は、よどむことなく続投の理由を明かした。「彼はエース。被安打3本で、まだシャープだった。球数は承知していたが、あの状況はエースに託すものだ」。3回まで無安打無失点6奪三振と力投する一方、球数は57球。4回に失策絡みで2点リードを許したものの、エースの力量に疑う余地はなかった。ダルビッシュも「(左腕)ハメルズと同じように見てくれるのはうれしい」と気概を感じ、結果で応えた。