エンゼルス大谷翔平投手(23)が、右手中指のマメの影響でわずか2回で降板した。先頭打者本塁打を浴びるなど、立ち上がりからスライダー、フォークの制球が定まらず66球を投げ、メジャー最短となる2回4安打3失点で初黒星を喫した。前回登板後にできたマメの状態が悪化したことで、大事をとっての降板とみられ、通常通りに調整していく予定。3戦3勝はならず、チームの連勝も7でストップしたが、今後も二刀流を貫く。

 前回登板で圧倒的投球を見せた大谷の姿はなかった。1回から宝刀フォークをワンバウンドでたたきつけ、スライダーも抜け気味。12三振を奪った前回とは別人のように、制球を乱した。悪化した右手中指のマメが影響し、ボールを制御できなかった。指の状態について「普通に起こりえるぐらいの程度。僕はいけると思っていた。医療スタッフの方と相談して、今日はやめとこうということで、終わりました」と、無念の2回KOを振り返った。

 8日(同9日)のアスレチックス戦登板後に、マメができていた。91球中32球の35・2%と、フォークを多投したことで、指に負荷がかかったものとみられる。翌日の試合では、大谷が右手を気にする様子もテレビ中継でとらえられるなど心配する声もあったが、「いけるという感じだった」と、通常通り調整しながら回復させてきた。だが、「やっぱりゲームのレベルで投げた時に、少し良くない部分があった」と、違和感は隠せなかった。

 もっとも、症状は軽いものとみられる。「これが(シーズン)後半の戦いだったら、それはもう全然、いけると思う」と、軽度であったことを強調した。打撃にも「問題ないと思います」と淡々と答えた。これまで通り、登板2日後には指名打者で出場する予定だ。

 次回登板について、ソーシア監督は「次も投げられることを願っている。(中6日については)柔軟に考える」と明言はしなかったが、打者出場と同時進行で、次回登板へ向けて調整させるつもりだ。大谷も今後について、「まずはしっかりとした状態で試合に入れる準備を、この1週間でできればいい」と前を向いた。ア・リーグ東地区首位のレッドソックスには、不完全な状態で屈した。「自分の状態も含めて、今日の負けをしっかり反省していければ、次にプラスになる」。この程度では、二刀流は屈しない。【斎藤庸裕】