ヤンキース田中将大投手(29)がレッドソックス戦に先発し、5回途中8安打5失点と踏ん張れなかった。勝敗こそ付かなかったものの、ヤンキースは6-11で敗れ、マジック「2」としていた宿敵のア・リーグ東地区3連覇を阻止することはできなかった。

試合後、投球を冷静に振り返る一方で、リベンジの言葉に力を込めた。今季のレッドソックス戦は4試合に先発し、1勝0敗で防御率7・58。脳裏には打たれた印象しか残っていない。「今日やり返せれば良かったですけど、まだ公式戦も最後のカードがある。ワイルドカードに勝てばその次に当たるわけですし、やり返すチャンスはあると思っている。この悔しいままでは終われないので、やり返したいと思います」。

初回、前回登板の14日までマークしていた連続無失点記録が20イニングで途切れ、その後も失点した。無四球ながらも球審の極端に狭いストライクゾーンの中で勝負せざるを得なかった。だが、言い訳にはしない。「審判がどうであろうと、自分が狙ったところに投げていく姿勢は変えちゃダメだと思う」。外的要素に敗因を求めない姿勢が、田中らしかった。

優勝を逃したとはいえ、世界一への夢は消えていない。ワイルドカードで勝ち上がれば地区シリーズではレッドソックスと対決することが確実。「今日の試合をもう1回見直します。(敗因が)分かりません、でマウンドに上がるという、そんな無責任なことは絶対できないし、したくない」。私服に着替えても、田中の表情はマウンド上と同じように気持ちが入っていた。【四竈衛】