中日谷繁元信監督(44)が19日、名古屋市内で白井文吾オーナー(87)にシーズン終了の報告を行った。オーナーは契約通り、残り2年の任期を約束したが、球団創設80年にあたる来年の優勝を厳命。監督も残り2年と理解しながら、来季1年が勝負と明言した。

 来年から監督に専念することに”上積み”を期待する白井オーナーは「信念を曲げず、自分の考えで指揮を執れ」と信頼を寄せた。当初の4年契約は不変。「契約は契約。この契約がどうなるのかと聞くのはナンセンス。切腹覚悟でハンコを押している。契約だから、破るとすれば腹を切る。腹を切るのは痛いんだけども」。監督に任命したオーナー自身の責任所在にも言及し、谷繁体制を支えるという強い決意を感じさせる論調だった。

 谷繁監督も契約年について「そう理解しています」と話した。一方で球界の掟(おきて)がそう甘いものとは思っていない。「来年勝負? もちろん。あと2年あるという思いはない」と神妙に語った。80周年の節目に対しても「その思いはある。記念の年に最高の結果が一番」とした。

 中日移籍3年目の04年から12年着ける背番号27は変えないことを決め、了承をとった。長年、ともに戦ったきた番号を監督専任になっても継続する。巨人、阪神、DeNAと監督交代があり、ライバル球団も変革していく。取り残されるわけにいかない。「ベテランたちが抜けて、かなり若くなる。経験をさせながら勝っていかないといけない」と強い決意を口にした。【柏原誠】