巨人井端弘和内野手(40)が24日、今季限りでの現役引退を表明した。東京・大手町の球団事務所で会見し「40歳までプレーできるとは思っていなかった。夢のような18年間だった」と、スッキリした表情で語った。

 現役続行の意欲よりも、盟友への思いが上回った。前日23日、高校時代から知る同学年の高橋由の現役引退、新監督就任が決まった。井端は電話で報告を受け即決。「同世代のスター。ヨシノブがやめた時は一緒にやめようと、巨人に来た時から思っていた。いつ最終打席になるかと毎打席立っていた。一緒にやめられる。これほど素晴らしいことはない」と説明。今後は未定と話したが来季は1軍内野走塁守備コーチ就任が有力だ。

 達成目前の記録にも未練はない。通算2000安打まで残り88本だったが「決めたことを裏切ることができなかった。(数字への)気持ちが人より薄いから潔くできたのかな」と笑った。自身の記録より、盟友を支えることを選択したようだ。

 球団は、井端の他にも、青年監督の脇を固める来季の人選を着実に進めている。高橋新監督が信頼を寄せる村田総合コーチが参謀役のヘッドコーチ、斎藤投手コーチが密な連携が必要な2軍監督の候補に浮上。現役時代からよく知り、指導者経験も豊富な内田打撃コーチと尾花投手コーチの、2軍から1軍への配置転換もあり得る。迅速に、組閣を遂行させていく。

 ◆井端弘和(いばた・ひろかず)1975年(昭50)5月12日生まれ。神奈川県出身。堀越(東京)では高校2年春、3年夏に甲子園出場。亜大を経て97年ドラフト5位で中日入団。遊撃でゴールデングラブ賞7度、ベストナイン5度。13年WBCでは指名打者でベストナイン。同年オフに年俸88%減を拒否し、自由契約となって巨人移籍。173センチ、73キロ。右投げ右打ち。家族は元テレビ朝日アナウンサーの明子夫人と1男2女。今季推定年俸5500万円。