西武田辺徳雄監督(49)が若獅子に「テッド・ウィリアムズの努力」を求めた。29日、フェニックスリーグに参加していた若手も西武プリンスドームでの秋季練習に合流。練習前の訓示で「1軍に上がるか、2軍に甘んじるか。2つに1つしかない。春季キャンプでの振り分けの参考にさせてもらう。心技体を見せてくれ」と奮起を促した。

 今季、練習の虫だった秋山がシーズン最多の216安打を樹立し、才能が花開いた。好例を挙げられると「テッド・ウィリアムズでも努力したんだから」と続けた。「ボールを安く買って来て、近所の子供たちに小遣いを渡して投げさせて、それを打ち返し続けたという話を聞いた。あれほどの打者でも努力しているということ」。メジャー最後の4割打者の異名を持つ先人の努力は指揮官も共感するものがある。

 今季は遊撃手、右翼手と若手を登用したが、固定には至らなかった。だが来季に向けて外国人などの大型補強で埋めるつもりはない。鈴木球団本部長も「フタはしたくない」と台頭を望む。「打撃の神様」ともうたわれた大打者のような不断の努力で、若獅子が谷底からはい上がる。【広重竜太郎】

 ◆テッド・ウィリアムズ 1941年に23歳で打率4割6厘をマークし「史上最高の天才打者」と称された。以後74年間、大リーグで大台を超えた選手はおらず最後の4割打者として知られる。