谷繁監督が動いた! 中日谷繁元信監督(44)が5日、岐阜・長良川球場で行われている投手のみの秋季キャンプを初視察。今季、成績が振るわなかった3年目福谷浩司(24)のブルペン投球にアドバイスを送った。抑えが不在の現状打破へ、福谷再生に手応えを感じていた。

 谷繁監督は一塁側ブルペンで投げ込む山本雅、小熊のチェックを終えると、三塁側へと歩を進めた。3年目右腕福谷が投球していた。1球1球に目を凝らし「それはいい! 良くなったぞ」「今のは違う!」と声が飛んだ。時には身ぶり手ぶりを加えながら「下がいってから、上にうまく力を伝えること」。下半身主動でリリースポイントに力を集約するようにと、助言した。

 「少し変化はありました。本人も感じながら投げていると思う。自分で投げていてここがダメだったと、良しあしが自分で分かるようになっていかないと」

 指揮官も手応えを感じていた。チェックを受けながら45球を投げた福谷は「今やっていることは間違いじゃないんだと。いい悪いが分かった上での投球ではない。ただ、手応えがないわけではない」と言った。秋季練習では一から投球を見直すため、森ヘッドが発案したソフトボールのみでの練習を取り入れた。力強い直球の復活へ、着実に前に進んでいる。

 岩瀬に代わる守護神として期待された今季は、42試合で3勝4敗19セーブ、防御率4・05。不振に陥り、8月に入ると戦列を離れた。プロ2年目の14年は72試合に投げ34ホールドポイント、11セーブを挙げた。防御率1・81を誇り、安定感は抜群。最速157キロの直球を武器にねじ伏せていた。

 チームは守護神が不在の状況だ。来季4年目を迎える福谷が輝きを取り戻したとき、上位進出に必要なピースが埋まるはずだ。【宮崎えり子】