中日がメジャー通算66本塁打のダヤン・ビシエド外野手(26=前ホワイトソックス)の獲得を目指していることが19日、分かった。退団濃厚なルナの代わりの4番候補。昨オフ、年俸440万ドル(約5億5000万円)の値をつけられた大物で、中日ではまれな1年目から年俸1億円を超す契約になる可能性もある。

 西山球団代表は交渉が詰めの段階とした上で「そのまま(の実力で)やってくれたら楽しみ。今いる戦力を生かす意味で、中軸に座る選手がほしいので」と構想を明かした。

 今季まで4番はルナや平田が務めたが、出塁率は高いが長打でかえすタイプではなかった。相手が本塁打を警戒する「大砲」が座ることで、前後を打つ打者にも好影響が出る。打線に“化学反応”を起こすことができる存在とも期待されている。

 12年にホワイトソックスで年間25本塁打、78打点を記録し、昨年も21本塁打。ただ、三振の多さ、四球の少なさがネックで、今季はメジャーデビュー以来6年目で初めてマイナーで1年を過ごした。それでも、日本で規格外のパワーを発揮すれば大化けの可能性もある。守備では強肩を誇り、もともとは遊撃手で、三塁も経験。現在は外野と一塁をこなし、サイズの割に動ける点も魅力だ。

 これまでの助っ人と比べてメジャー実績がずばぬけているため、年俸も異例の「億クラス」が予想される。初年度から1億円超えなら07年李炳圭の1億5000万円以来。過去の優良助っ人のブランコ、ルナらは3000万円程度で契約し、実績を作ってから高年俸を勝ち取った。久々の「大物」の加入となれば強竜打線復活の期待も高まる。

 またドミニカ共和国出身で、ブレーブスで中継ぎとして今季2試合に登板したフアン・ハイメ投手(28)の獲得交渉も進めている。最速160キロ右腕で、抑え候補として検討している。

 ◆ダヤン・ビシエド 1989年3月10日、キューバ生まれ。19歳で米国に亡命し08年にホワイトソックスとマイナー契約。10年にメジャーデビュー。メジャー通算483試合、66本塁打、打率2割5分4厘。今年1月に年俸440万ドルでホ軍と契約更新したがすぐ自由契約になり、ブルージェイズ、アスレチックス、ホ軍とマイナー契約。今季3Aで8本塁打。現在はFA。180センチ、108キロ。右投げ右打ち。