西武が来秋ドラフトで4年連続で富士大からの指名を検討していることが29日、分かった。最速150キロ右腕の小野泰己投手(3年=折尾愛真)をリストアップ。13年のドラフト2位山川、14年の同3位外崎、15年1位の多和田真三郎投手(22)と同大から獲得が続いているが、異例の「4世代指名」の可能性が出てきた。

 球団幹部は「富士大にはいい投手が多い。4年連続指名の可能性も十分にある」と話している。小野は183センチの長身から投げ下ろす直球と鋭いフォークを武器としている。高校時代もプロ注目だったが、右膝の故障により3年夏に結果を出せず、指名が見送られた。だが大学で着実に力を伸ばした。今秋の北東北大学リーグでは右肩痛の多和田不在の穴を埋める形で4勝0敗、防御率0・00の好成績を収めた。5年越しの夢をかなえる位置に近づいている。

 西武には同一校からの出身者が多いのが近年の特徴だ。最大派閥は大阪桐蔭4人衆。中村を筆頭に浅村、岡田、森と打線の中核を担っている。末弟といえる森は浅村、岡田への“先輩イジリ”を介し、チームにも溶け込んでいる。第一工大も藤原ら4人、東北学院大も岸ら3人が名を連ねる。大所帯のメリットも目に見えぬ形で出ており、富士大の逸材たちも未来の西武を担う。

 ◆小野泰己(おの・たいき)1994年(平6)5月30日、北九州市生まれ。大原小1年から野球を始める。折尾愛真では146キロ右腕として注目を集めたが、3年夏の福岡県大会直前に右膝半月板を損傷。富士大では14年春に初登板。15年秋に最優秀防御率に輝いた。183センチ、73キロ。右投げ右打ち。