こだわりの新グラブでフルイニング出場、4年連続ゴールデングラブ賞だ! ソフトバンク今宮健太内野手(24)が今年からアンダーアーマー社(UA社)とアドバイザー契約を結んだことが分かった。今宮の意見を取り入れて開発された新型グラブは指のマタにフィットし、操作性が向上。キャンプでは、内野手としては珍しい硬めの「和牛」グラブも試す。

 遊撃手として、さらに守りを極めたい。新しいグラブには、若き名手今宮の思いが詰まっている。大きさ、形などは昨年まで別のメーカーでつくっていたものと同じ。グラブの内部を改良した。

 糸井、柳田ら多くの選手とアドバイザー契約を結ぶUA社だが、日本人遊撃手としては第1号。「自分にとってグラブは命」という今宮の意見を、元阪神、広島で活躍し同社に勤める喜田剛氏が職人と橋渡しをし、何度も修正を重ねた。

 今宮は手のひらが小さく、しかもグラブを浅くはめる。そのため、グラブの甲側の指が見える部分「マド」を狭くすることによってフィット感を高めた。さらに薬指と中指の間をグラブの中で仕切る「指マタ」とよばれる部分を6ミリ長くした。これにより、今まで以上にグラブの先端まで扱いやすくなった。

 分かりやすくたとえると、5本指ソックスだ。普通のソックスより5本指に指先が分かれたソックスを履いた時の方がそれぞれの指先を自在に動かせ、踏ん張りやすく感じる。今宮のグラブも中指と薬指がしっかり仕切られることで、浅くはめても先端まで力が伝わりやすくなる。

 今宮は「これ、すごく捕りやすいですよ。フィット感を一番大事にしているんですが、いいですよ」と感触は上々。捕球面の薬指部分に丸みを出すことでポケット部分も広くなった。昨季まで3年連続ゴールデングラブ賞も、まだフルイニングでの受賞はない。「遊撃手は1人が守り続けなければいけない」という思いを、新グラブとともに今季こそ達成する。【石橋隆雄】