オコエ・ザ・チェンジ-。楽天オコエ瑠偉外野手(18=関東第一)が1日、沖縄・久米島の1軍キャンプ初日にプロの洗礼を浴びた。室内練習場で行った打撃練習では打撃投手を相手に37スイング中ヒット性9本と湿った。前日1月31日に「存在感をアピールする」と意気込んでいたが、タイミングの取り方など課題を指摘された。それでも「強く振る」テーマをやり遂げるなど伸びしろは十分。弱点を補い、モデルチェンジして頂点までの距離を縮めていく。

 取り繕おうとはしなかった。キャンプ初の打撃練習を終えたオコエは、潔く力の差を認めた。

 オコエ 先輩方のバッティングと見比べて、自分の力のなさを感じました。基本的なスイングの力強さが違いました。

 打撃投手が投げ込むボールに、ことごとく詰まらされた。打球の約半数は右方向。意図した右打ちではなく、詰まった打球が右に切れた。37スイングでヒット性は9本。慣れない木製バットに、新人合同自主トレでは1度しか経験しなかった打撃投手の球。ケージの後ろでは梨田監督が見守っていたことも体を硬くさせた。「気にしすぎるくらい意識してしまって…。ガチガチになりました」と反省した。

 現状を踏まえ、モデルチェンジを図る。梨田監督は「緊張もあったと思うけど、タイミングの取り方が遅かったかな。差し込まれてしまう」と課題を挙げた。池山打撃コーチは始動時の「目つけ」に注目し、打撃向上の可能性を説いた。

 池山コーチ タイミングが一定じゃないから捉えるポイントが安定しない。投手のどこに目をつけて始動するか。目のつけどころが変われば打球も変わるはず。フォームはいじらないよ。

 土台から再構築せずとも、修正で変われる。打撃練習では、重量の違う3種類のバットを使用するよう伝えている。同コーチは「金属との違いを感じ、どこに当たれば飛ぶかを体感していけば。まだ初日。少しずつだよ」。18歳には大きな伸びしろが残されている。

 打球は会心でなくとも、オコエは最後までフルスイングを続けた。「まずバットを振ることができなければ何もできない。そこは意識しました」と強い意志が存在した。初日に味わった複雑な感情をモチベーションに変える。「これくらいでへこたれたらやっていけない。また明日から、この空気を押しのけるくらいの気合でいきます」と胸を張った。【松本岳志】