バスター打法で復活だ! 広島堂林翔太内野手(24)が5日、今キャンプ初の休日を返上してバットを振り込んだ。締め切った屋内練習場で報道陣をシャットアウト。素振りとマシン打撃を繰り返した。試行錯誤を続ける男が選んだ打開策は、バスターでの打撃。決意の大改造で、打棒復活のきっかけをつかむ。

 静寂のあとに打球音が漏れ響く。締め切った天福球場右翼後方の屋内練習場に、堂林は30分以上こもった。素振りとマシン打撃でバットを振り続けた。

 「自分が一番タイミングを取りやすい形がバスターだった。これからはバスターで打ってみようと思う。練習だけでなく、実戦でも。トップを作る形を体に染みこませたい」

 驚きの大改革だ。昨秋から打撃改造に取り組んだ。オフを経て迎えた今キャンプ第1クールも、バットを振り出そうとするときにバットを十分に引けず、打球に最大の力が伝わらない。試行錯誤は続いた。クール最終日に石井打撃コーチの助言から1つの答えを出した。

 「2、3年前から練習でもバスターから振り出す形が一番いいと言われていた。見た目よりも自分が振れる形は何なのか。結果が出ればそれでいい」

 不本意なシーズンが続き、定位置争いは追う立場。恥も外聞もない。力強く振り出せるバスターが最善の策だった。

 右手でバットの芯の部分を握り、右胸の前に降ろす。投球動作に合わせてバットを引き、左足を踏み出すことで力強く振り出す形ができる。4日、最後の練習メニューのロングティーは約200球すべてバスターで打った。石井打撃コーチは「1つ何かきっかけが必要。そのひとつがバスターだが、最終形ではないと思っている」。理想の形を追い求める試行錯誤はまだしばらく続きそうだ。

 今日6日の第2クールからシート打撃が行われるなど、実戦形式のメニューが増える。14日には今年初の対外試合となるオリックス戦(SOKKENスタジアム)も控える。

 「振れる形になっているかどうか。振って勝負ができるならバスターのままでいいと思っている」

 完全復活へ、まずはバスター打法で復活の糸口を見つけたい。【前原淳】