「ショートで勝負したい」。楽天ドラフト3位の茂木栄五郎内野手(22=早大)が、野手では球団史上初の開幕スタメンデビューを実力でもぎ取った。オープン戦最後の試合となった21日のDeNA戦後に、梨田監督が「ショートでスタメンの可能性が高い」と明言。キャンプからショートにこだわってきた茂木は、「与えられた仕事をこなすことだけを考えてやってきましたが、たまたまです」と、謙虚に喜びを口にした。

 プロの第1目標をたぐり寄せられた最大の要因は、積極的な打撃にあった。16日のオリックス戦では2打席連続のアーチ。「最終試験」となった21日の試合でも、モスコーソの外角高めのシュートを左前にはじき返した。オープン戦の成績は33打数7安打、打率2割1分2厘。成績はふるわなかったものの、指揮官は「初球からどんどん振れる思い切りのよさがある」と、数字以上に、打席での勇猛果敢な姿勢を高く評価した。

 開幕スタメンを喜んでいる暇はない。今後は本人も「まだまだ」と課題に挙げる守備で首脳陣の信頼を勝ち取らなければならない。「しっかり練習して、準備をしたエラーはしかたがないと思って、恐れずに守っていきたい」。打撃も守備も攻めまくる。その先に茂木が見据えているのは、もちろんレギュラーだ。【田口元義】