打つだけじゃない。阪神ドラフト1位の大山悠輔内野手(22=白鴎大)が20日、人類史上最速のスプリンター、ウサイン・ボルト(30)の走りを参考に、足でも魅せる意気込みを明かした。鳴尾浜での自主トレ後、元陸上選手で昨秋キャンプから臨時講師を務める秋本真吾氏(34)の講習会に参加。「まだ少しですけど、速くなっているのは実感できている」。走力アップへ、充実した2日間の講習になった。

 バイブルはあのボルトだ。前日19日にボルトの映像を交えた講習を受け、お手本はなぜ速く走れるのかを分析した。答えは歩幅と足の回転数にあった。メカニズムを説かれた大山は目からうろこで、前のめりだ。

 目指す選手像は打つだけではない。金本監督のように走攻守の3拍子がそろった選手だ。「打って守って走って全部の部分でチームに貢献したいと思っています。盗塁とか隙をついた走塁とかいろいろな部分で生かしていきたい」。

 高い走塁への意識に、「ライトニング・ボルト」の稲妻走法が加わった。無敵の走法を身につけた大山は、新人8人の中で、秋本氏から“走りのMVP”に選出された。秋本氏は「ビックリしました。陸上選手に近いような体の使い方ができています」と評価。盗塁についても「素人目線ですが、(多くの数が)できると思います」と期待した。

 今後も走力アップに力を注ぐ。「ウエートで鍛えられるところは鍛えて、映像を見て勉強したい」。バットだけではない。大山の足にも注目だ。【山川智之】

 ◆ウサイン・ボルト 1986年8月21日、ジャマイカ・トレロニー生まれ。09年世界選手権の100メートルで9秒58、200メートルで19秒19の世界記録を樹立。08年北京、12年ロンドン、そして16年リオデジャネイロ五輪で100メートル、200メートル、400メートルリレーの3冠を3大会連続で達成した。五輪陸上で歴代最多の金メダル9個を獲得。196センチ、95キロ。