プロ野球のキャンプ21日目! 担当記者が選んだ「今日の一番」を紹介します。


日本ハム西川連続弾&笑いつかむ

 勢いづける2発で、ファンを興奮させた。日本ハム西川遥輝外野手(24)が21日、沖縄・名護で行われた楽天との練習試合で、2打席連続本塁打を放った。

 1番・左翼で先発。初回にカウント2-2から、右翼へ先頭打者アーチを架けて先制点を奪うと、3回先頭でも119キロの変化球を振り抜き、打球を右翼へ放り込んだ。「追い込まれた状況で変化球にいい反応ができた。2本目は完全に風(に乗ったから)」と、冷静に振り返っていた。

 この日ダイヤモンドを2周し、パフォーマンスでもしっかりファンを楽しませた。ホームで待つ次打者の杉谷から求められたハイタッチだけ、2度ともあえての無視。ムードメーカーとの息の合ったやりとりで、球場を笑いに包んだ。

 昨年の日本シリーズ第5戦でサヨナラ満塁本塁打をマークし、日本一に貢献したリードオフマンは、7年目の今季もファンを喜ばせてくれそうだ。【日本ハム担当 保坂果那】

1回裏日本ハム無死、右越えに本塁打を放つ西川(撮影・井上学)
1回裏日本ハム無死、右越えに本塁打を放つ西川(撮影・井上学)

ソフトバンク松田「1ダホー!」絶叫

 ソフトバンク松田宣浩内野手(33)が、侍ジャパン集合日を翌日に控える21日、元気一番にホークス春季キャンプを打ち上げた。午前中から昼すぎにかけて1時間30分ほどあった投内連係プレーの練習で、声を張り上げ続けた。打撃練習でも快音を飛ばし、個別メニューの仕上げはノックバットでのロングティー。午後5時近くまで汗をかき続けた。いよいよ、23日からは強化合宿がスタートする「侍モード」へ切り替わる。

 「しっかりとした結果を出さないといけないという責任感のもとやってきた。あとは自分のプレーを出したい。打って守って、プラス元気。声の調子もいいですからね。一番元気出して、松田はここにいるぞという存在であればいい」と“熱男”宣言。最後は「侍ジャパン、必ず世界一奪還します。1(ワン)ダホー!」と、17年スローガンで締めくくっていた。【ソフトバンク担当 松井周治】

王貞治会長が見守る中、打撃練習で快音を響かす松田宣浩(撮影・今浪浩三)
王貞治会長が見守る中、打撃練習で快音を響かす松田宣浩(撮影・今浪浩三)

オリックス・ロメロ連発含む5打点

 オリックスの新外国人ステフェン・ロメロ外野手(28=マリナーズ)が、21日のキャンプ紅白戦で2打席連発を含む5打点と一番目立った。

 3回には右腕ヘルメンとの新外国人対決で「来日1号」が生まれた。バックスクリーンへ突き刺す140メートル弾。5回は塚原から左翼席へ運んだ。いずれもスライダーをとらえ「少しずつ感じが良くなっている。うまく変化球に対応できたね」とニッコリ。福良監督も「いい対応をしていた。(T-岡田、吉田正との)3人で4番の競争だね」と話した。【オリックス担当 大池和幸】

5回表1死一塁、ロメロは2点本塁打を放つ(撮影・奥田泰也)
5回表1死一塁、ロメロは2点本塁打を放つ(撮影・奥田泰也)

ロッテ石川シート打撃9人3安打も納得

 ロッテは21日、1軍の石垣島キャンプを打ち上げた。最終日に一番注目されたのは、侍ジャパンに選ばれたロッテ石川歩投手(28)だ。

 2軍選手を相手にシート打撃に登板。打者9人に対し、3安打1四球だった。「甘い球はあったので、もうちょっとですが、良かったと思います」と、球の質自体には納得の表情だった。

 沖縄本島で実戦に入るチームを離れ、宮崎での代表合宿に参加する。伊東監督からは「いったんはシーズンのことは考えずに、目先の勝利に一丸で戦ってもらいたい」と、エールを送られていた。【ロッテ担当 古川真弥】

シート打撃に登板するロッテ石川(撮影・古川真弥)
シート打撃に登板するロッテ石川(撮影・古川真弥)

広島塹江20歳誕生日「ビールかけを」

 成人して一番初めの日に誓った。広島塹江敦哉投手が21日、沖縄で20歳の誕生日を迎えた。前日20日に宮崎・日南から沖縄市に移動。この日は22日からの2次キャンプを前にした休日で、十分に体を休めた。「今年はチームに貢献して、ビールかけをしたい。大人になったので責任感を持ってやっていきたい」

 まだ3年目。昨年、優勝決定後に1軍デビューし、3試合で経験を積んだ。合計の防御率は11点台と苦いものだったが、中日担当として忘れられないマウンドがあった。9月16日の中日戦(マツダスタジアム)。野村、大瀬良のあとを継いだ19歳左腕は、最終9回を3者凡退にして完封リレーを締めてみせた。

 0-8で大敗した中日はこの時点で、4年連続のBクラスが確定した。記者は「広島との絶望的な差を露呈」と書いた。その表現は、高卒2年目の若ゴイがはねるように150キロを投げ込む姿に導かれたといってもいい。中日担当でありながら、たまたま20歳の誕生日に立ち会い、しかも一番の笑顔を見てしまったが、シーズンでは「敵」になる。中日は昨年、広島に7勝17敗1分け。成人はおめでたいが、美酒を飲ませるわけにいかない。【中日担当 柏原誠】

ケーキを前に笑顔の塹江(撮影・柏原誠)
ケーキを前に笑顔の塹江(撮影・柏原誠)

阪神ドラ2小野「楽しみ」22日初実戦

 22日の紅白戦で実戦デビューが予定される阪神ドラフト2位小野泰己投手(22=富士大)がブルペンで状態の良さを見せた。

 岡崎や梅野など先輩捕手を相手に57球。ゆったりとしたフォームから、直球に持ち球のスライダー、カーブ、フォークを織り交ぜ、クイックでも33球を投げた。「実戦で投げるのは久々なんで、楽しみです。自分の真っすぐがどれだけ通用するのか試したい」と意気込んだ。【阪神担当 山川智之】

ブルペンで笑顔を見せる小野泰己(撮影・上田博志)
ブルペンで笑顔を見せる小野泰己(撮影・上田博志)