阪神坂井信也オーナー(69=電鉄本社会長)が24日、「虎の恋人」を異例の電撃視察した。ドラフト1位候補に挙げる早実・清宮幸太郎内野手(3年)をチェックするため、試合途中に甲子園を訪問。清宮を見に来たのかの問いかけに、軽くうなずいた。印象を聞かれると、笑みを浮かべた。「上から見ていて、よく分からなかったが、お客さんもたくさん来ていたし、いい試合でよかった」。1時間弱の電撃視察。総帥自らドラフト候補をチェックするのは異例中の異例だ。

 阪神は今秋ドラフトの1位候補として、清宮と履正社・安田尚憲内野手(3年)のスラッガーを軸に戦略を練っていく方針だ。明大・高山、白鴎大・大山といった即戦力野手を2年連続で1位指名した。打線強化に力を入れる金本監督の意向を反映したもので、坂井オーナーも支持している。清宮はドラフトの超目玉で、絶大な人気を誇る。電鉄本社内では「主軸を打てるスター選手がほしい」との声も上がり、3年連続の野手指名も辞さない構えだ。

 坂井オーナーは今後、履正社・安田の視察も検討。怪物スラッガーのダブルチェックに、チーム強化の本気度がうかがえる。