ソフトバンク川崎宗則内野手(35)がグラウンド内外で存在感を示した。この日1軍昇格し1番二塁でスタメン出場。2011年11月20日の中日との日本シリーズ第7戦(ヤフードーム)に出場して以来、1986日ぶり日本球界でのプレーで、試合前から野手最年長の声がチームを鼓舞した。

 試合前のミーティング。川崎は「Have Fun!(野球を楽しめ)」と声掛け。5年間、海の向こうで培ったアメリカンな精神を鷹戦士に注入した。

 川崎を慕う福田がバットで応えた。7回だ。先頭川崎が第4打席で6年ぶり国内安打となるセンター前ヒット。死球で退いた柳田に代わり途中出場の福田が1死二塁から右越えに1号2ランで試合を決定づけた。

 福田が選手の気持ちを代弁した。「ムネさんが、ハブ ファンと言ったんでその気持ちを忘れず打ちました。あの1発はムネさんのおかげかも知れない」。福田は先輩への気遣いも忘れず、川崎に復帰星をプレゼントした。

 先輩川崎もグラウンド内でハッスルだ。7回の中前安打だけじゃない。1点リードで迎えた4回2死一、二塁のピンチでは、センターへ抜けようかというライナーに横っ跳び。こぼれた打球をすぐに二塁に送球する好プレーで盛り立てた。

 V候補のチームは4位と本来の調子が出ていないが、野手最年長の元気印「ムネリン」が帰ってきた。川崎を筆頭に明るさを取り戻したホークスの5月反攻がひと足早く始まった。