早大の4番・加藤雅樹外野手(2年=早実)が満塁弾を放ち、3冠部門のトップに立った。四球4で迎えた第5打席の7回2死満塁、カウント3-0から左中間最深部にたたき込んだ。5割5分6厘、3本塁打、10打点。先発の柳沢一輝投手(4年=広陵)は被安打2、無四球で初完封勝利を挙げ、チームは勝ち点2とした。

 甘く入った東大・宮台の速球を逃さなかった。加藤が強振した打球は、左中間に突き刺さった。「ずっと見逃していたんで打ちたいなと、狙っていた。完璧に捉えたと思います」。それまでの4打席は4四球。ボール16、見逃し1、ファウル1。2振り目で仕留めた。

 前日の3ランに続く3号満塁弾で、3冠部門すべて1位になった(本塁打は1位タイ)。「清宮、野村はすごい。自分も打ちたかったです」。27日に行われた春季東京都大会の決勝戦を神宮のスタンドから観戦した。2年前の夏、一緒に甲子園を踏んだ後輩から大きな刺激を受けていた。

 左打ちながら前日も左翼へ、この日は左中間にたたき込んだ。「自分のゾーンに来れば振る。方向は勝手に飛ぶんで意識しません」。意識するのはしっかり引きつけて、軸回転すること。早実では捕手だったが、もうこだわりはない。「打つ方で貢献したい。4番なんで自分が1本出せば勝つと思う。これからです」。2年生の主砲が残る立大、慶大戦を見据えた。