楽天が強い。FA移籍の岸孝之投手(32)を先発に立て交流戦前最後となる西武戦に圧勝し、今季42試合目で30勝に到達した。パ・リーグ史上4番目の早さで節目を踏み、堂々の首位で明日30日からkoboパーク宮城に巨人を迎える。強さの原動力は破壊力抜群の打線。同じく強打を誇る相手に17安打、13得点で圧倒した。長い月日をかけて強いスイングという武器を手にしたイヌワシ集団が、「強いパ」の代表としてセ・リーグに襲いかかる。

 岸のKoboパーク宮城1勝を見届けようと、最多の2万7314人が集まった。ファンはいきなり“つるべ打ち”を目撃した。幕開けはペゲーロの2試合連続本塁打。2回は生え抜き初の2桁となる茂木の10号2ラン。3回は島内、岡島、嶋、茂木とおなじみの顔がタイムリーを重ねた。梨田監督は「みんなで3回までに10点…開きすぎて岸も内角に行きづらかった」とまで言った。速い球足の17安打に、生まれ変わった楽天の強さが詰まっていた。

 古参の関係者が、柵越え連発のフリー打撃を見てつぶやいた。「あれだけ『振れない』と悩んでいた。時間がかかるものですね」。創設時から得点力不足が弱点。11年に就任した星野監督が「パワーが足りない。今のパでは勝てない」と断を下した。不動の4番・山崎武司を構想から外し、うんとスケールの大きな打線を組む-。強く振れる選手の獲得と、振るための指導。2つの命題に着手した。