先発の穴を埋めた。離脱した野村に代わり、中継ぎから先発に回った広島薮田が6回5安打無失点の好投で、チームを交流戦白星発進させ、6連勝に導いた。

 大黒柱野村の離脱で、交流戦初戦に今季初先発が巡ってきた。「特にそういう意識はなかった。登板する1つの試合だと思って挑みました」。1回、浅村に対しての4球目には自己最速156キロをマークするなど最後まで攻める姿勢は忘れなかった。「要所で抑えられたことが出来たのでそれがよかったです」。6回、93球の投球に胸を張った。

 試合前まで中継ぎだけでチーム最多23試合に登板。急きょ巡って来た先発も「先発ローテは開幕前に目指してやってきたところなので、そのチャンスが回ってきたとプラスに捉えたい。役割はどこでも毎回ゼロに抑えようと思っている」と、16年9月14日阪神戦(甲子園)以来の先発で宣言通りの0封を演じた。

 開幕ローテから3投手が離脱する窮地に、孝行息子が台頭した。緒方監督は「大胆に行くところは大胆に行き、力みも見られなかった。先発の頭数が足らないから行ってもらう。もう先発よ」と次回先発を明言。ピンチをチャンスに変えた右腕の好投で、昨季勢いづいた交流戦で好スタートを切った。  【前原淳】