中日は完敗だった。負け越しは5月31日以来の2桁になった。西武打線に4本塁打で圧倒され、菊池に対しては3回に堂上のソロで1点を奪っただけ。巨人に抜かれ5位に転落した。

 しかし、会見場に現れた森繁和監督(62)の最初の一言は意外なものだった。「今日は、俺は1番すがすがしい試合だと思っているよ。ちょっとお客さんには失礼かとも思うけど」

 指揮官にそう言わせたのは先発した19歳、小笠原の姿。6回まで5失点と菊池との力の差を見せつけられた。だが西武の主軸へのリベンジを期待して続投させた7回と8回は、3者凡退で戻ってきた。8回2死、前の打席で柵越えされていた直球で詰まらせ、メヒアを中飛にしとめた。

 「普通なら(6回に)代打とも思うけど、もう1回、小笠原とクリーンアップとの対戦を見たい思いがあった。(メヒアには)3本目を打たれてもいいから、納得する球を投げてみろと伝えた。いい方で、楽しいのを見せてもらった。次に生かしてほしい。この先、何らかの形でみんなにいい思いをさせるときが来るでしょう」。大型左腕の成長を促す一戦になることを指揮官は願っていた。【柏原誠】