男性警備員を負傷させるなどの不祥事を起こした巨人山口俊投手(30)に球団から今季終了までの出場停止、罰金、減俸の処分が18日、下された。東京・大手町の球団事務所で会見を開いた。この日、警視庁目黒署に傷害と器物損壊の疑いで書類送検された。球団によると、被害者とは示談が成立し、被害届も取り下げられている。

 出場停止は8月18日から今季終了(11月30日)まで。罰金は事案の起きた7月11日から出場停止期間前日の8月17日までの間、1日につき参稼報酬の300分の1に相当する金額。減俸は出場停止期間中の参稼報酬について、1日につき参稼報酬の300分の1に相当する金額の減額。合計で1億円以上の減額となるとみられる。

 山口俊は30歳の誕生日だった7月11日未明、友人と集まった都内の飲食店で誤ってガラスで右手甲を切り、負傷。治療を受けるため都内の病院を訪れたが、酔った状態で蹴ってドアを壊し、男性警備員の胸を押して後ろにある机に腰などをぶつけさせて全治2週間の打撲を負わせたトラブルを起こしていた。

 先発予定だった同18日の中日戦当日にトラブルが発覚し、予告先発も取りやめて、翌19日に同19日に出場登録を抹消された。その後は練習参加も含めて自粛期間が続いていた。

 昨オフにFA権を行使し、DeNAから移籍してきた。3年総額約7億円の大型契約で先発ローテの中心として期待を寄せられていた。昨秋に患った右肩痛でキャンプは3軍からスタート。開幕には間に合わず、回復に努めて6月中旬に1軍昇格した。同14日のソフトバンク戦こそ6回無安打無失点で初勝利を挙げたが、その後は不安定な投球が続いていた。ここまで4試合に先発し、1勝1敗で防御率6・43と成績は振るっていなかった。